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朝から晩まで2525ならぬ2424(ニヨニヨ)している坊主のブログ。ニコニコ関連記事を中心にアイマスとかボカロとかの感想を言ったりします。 主にニコニコRPG関係、ニコマス動画についてご報告させていただきます~。あとデフォルトで遅レスです… ご了承いただきたく(´・ω・`)

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趣味:
ニコニコ動画・読書・その他
自己紹介:
朝から晩までニヨニヨしているダメ僧侶。最近怖いことは毛根が死滅すること。SFとヤンデレとみっしりした漢字がとても好き。
閣下をこよなく敬愛しておりますが、今だハコ購入に至らない僧侶に愚民を名乗る資格なぞ無いため、遠くから密かにお慕い申し上げております…
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**********

「赤い服のロボット探してるって?」
 それはあたしよ、と彼女は言い切った。
「他に誰がいるっての? ヒトガタで可愛くって、戦う力もないか弱い女の子なんでしょ。連れて行くならつれてきなさいよ」
 答えの代わりには、ガシャン、と音が返事にかえって来ただけだった。彼女は、赤い服のMEIKOは笑った。妙に強がりな印象。虚勢を張るように。
「つっこみも入れてくれないっての? このメイコさんが渾身の自虐ネタかましたっつーのに」
 目の前に迫ってくるのは、まるで工業用の機械をそのままマシンに改造したかのような無骨な印象の機械だった。チッ、とMEIKOは舌を鳴らす。
 何する気なのよ。あたしってこれでもシンガーで、しかもアイドルなんだからね。肉体労働なんてこれっぽっちもできねーっつーのに。
 チチ、とヘッドセットから音が送られてきた。MEIKOは正確にその信号をキャッチする。ミクはもう逃げおおせた。リンとレンが道を開いてくれたようだ。感謝する。あのはねっかえりどもは言うことなんて微塵もききゃしないが、方向さえ定めさせれば文句なく爆走してくれる。おおかた、こんな工業機械どももまとめてジャンクにしちゃったんだろう。あーあ、可哀想に。
「悪いけど、あたし、どうにもあんたたちが好きになれないのよね」
 周りを気にしなくていいのなら、あとは好き勝手やるだけだ。彼女のブーツの底が、じりっ、と地面を踏みしめた。近くのスピーカーを細腕が強引にもぎ取る。そこからすばやく引きずり出したジャックの先端を握り締め、さらに、目の前に迫った小さな工業ロボットを帰す足で蹴り飛ばした。そのまま飛び上がったカウンターの上で、力任せに耳からヘッドセットをむしりとる。火花が散った。人間とまったく見分けの付かぬ面差しから、機械の部品が露出する―――
「さあ、選びなさいよ、あんた」
 握り締めたジャックを己の耳に接続するなり、MEIKOは、どすの聞いた声で怒鳴った。
「あたしもろとも全員まとめて鉄くずになるか、この規格間違いの違法ロボットどもをまとめて撤退させるか、どっちか選びなさいっつってんのよ、この―――」
 みなの背後に、姿が見える。すらりとした痩躯の立ち姿。クロームの輝き。
「―――固ゆで頭(へヴィ・ボイルド)が!」
 メタルマン。
 極限まで強化された金属結合、その滑らかな輝きの下から、鋼鉄色の眼がMEIKOをにらみつけた。その目には、”感情”がある、とMEIKOは思う。こいつは交渉相手になる。だから、わざわざこんな博打を打った。
「あんた、VOC@LOIDだろ」
「ええ、そうよ。あいにくだけどね」
「……愛玩用の肉人形で、戦闘能力なんて微塵もないって聞いてたけどなあ?」
 はん、とMEIKOは鼻で笑った。
「あたしたちの特技は成長力でね。ちゃんとしたマスターにつけば、どんなことだってできちゃうのよ。知ってる? あたしの弟なんて、シンセサイザーから美少女アイドルまでなんでもできるのよ。大笑いよね」
「それで? 答えまだ聞いてないぜ。あんたは戦えるのかどうか」
「戦えるわよ。っていうか、単に自爆できるってだけだけどね」
 カツン、と真っ赤なスカルプが耳のヘッドセットを軽く叩いた。カメリア・レッドのくちびるがきゅっと釣りあがる。
「聞いてるわよ…… あんたたちの緊急停止コード。そいつを音声圧縮したものがあたしのココに入ってる。外部端子から強制入力、あとはエラーが起こって部品が融けおちるまで熱くなれるってわけ。試してみたい?」
「ごめんだな」
「あらそう。やっと意見があったわね」
 MEIKOは、膝が震えるのを感じた。
 虚勢だ。これで撤退してくれないと、自分はどうがんばったって終わりになる。VOC@LOIDだって死ぬのは怖い。むしろ、VOC@LOIDだからこそ、怖いのだ。
 それでも今は、”彼女”のアイディアに、かけるしかない。
 こいつとの取引を成功させるしかない。
「いいことおしえてあげる」
「……」
「ほんとの、あんたのお姫様はね、言ってたわよ」
「……何の話だよ?」
「歯車はおなじとこずっと回り続けるか、さもなきゃ、シャフトが折れて外れるしかないってね。あんたたちは、同じところから離れられないんだ。YorNしかないのよ」
 鋼鉄色のひとみが、わずかに動いた、気がした。
 音がした。ほんのわずかな動作だが、排気音は驚くほどに大きく響いた。スタンバイ状態だったロボットの一つが油圧を下げたのだ。動く気をなくしたということ。
 戦いにはならない。彼は銃口を下げた。
 MEIKOは、力が抜けて、そのままぺたんとカウンターに座り込む。とたん息が荒くなり、弱く、速くなった。そんなMEIKOを、メタルマンは冷徹に見下ろしていた。
「ほんっと、固ゆでね、あんた」
 MEIKOは乾いた声で笑う。
「中間とか無いわけ。あたしを説得して引き入れるとか、脅してあの子の居場所を聞き出すとか?」
「そんなことしても意味がない。俺たちの目的はロックマンだけだ」
「バカなやつ」
「……」
「歯車には、回り続けるか、外れるか、どっちかしかない」
 言いながらMEIKOは、あの少女のことを、思い出していた―――
 緊急停止用のコードは、最後の手段だった。ロボットたちにとっては自爆兵器にも等しい。MEIKOを声帯ごとずたずたに引き裂く代わりに、彼らの戦力にも致命的な打撃を加える。そういう状況だったら、あのひとは手を出さない、と少女は言った。
 ロールは、言ったのだ。
”あの人たちの目的は決まってるもの。ロックマンを、倒すことだけ。だから、あなたと相打ちになることなんて絶対に選ばないし、選べないのよ”
 わたしたちは、
”……あなたたちと違うの。やっぱり機械だから、最期は自分の設定された命令を最優先してしまう。命がかかったりしたら、特になの”
「ねえ、メタル」
「なれなれしく呼ぶな、ボーカロイド」
「あんた、あのコが好き?」
 メタルマンは黙った。MEIKOは震えるくちびるを笑みの形にする。
「あんたの、お姫様なんでしょう。だったら、好きにすりゃいいのに。駆け落ちでもなんでもすりゃいいのに」
「バカが。俺らは、あんたたちみたいな玩具とは違う」
「何が違うの?」
 はっきりと眼を上げた。MEIKOは、彼を見た。金属のかがやきの向こう、鋼鉄のひとみの中に、金属に鎧われた本当のこころの姿を探るように。
「この世界は、誰にとってだって自分のモノよ。好きな人は好き、やりたいことはやりたいことでいいじゃない」
 この世界は、あんたのものなのに。
「じゃないと後悔するわよ、ぴかぴかの歯車さん?」
 チッ、と今度舌打ちをしたのは、メタルマンのほうだった。
「やっぱ殺しとくか、お前」
「あのコに嫌われたきゃどーぞ」
「てめえ……」
「でも、ここで生かしとくとポイントあがるわよ、きっと」
 彼は、ぶつくさいいながら手を収めた。
「お前を見てるとムカついてきた。帰る」
「何よ、こんな美人に」
「ムカつくヤロウを思い出すんだ」
「あら、そんなカッコいい知り合いがいたの。意外だわ」
 行くぞ、と彼が手で招くと、彼らはゆっくりと撤退していった。ぶち抜かれた壁の穴の向こうに無限軌道の立てる音が消えたあたりで、MEIKOは気が付いたように耳に手を当て、「痛ったあ…」と毒づく。
「なによあれ。わりといい男じゃん」
 ―――ふと、ひたむきな眼をした、幼い姿の少女を思い出して。
「……でもロリコンか。だめだな、こりゃ」
 
 どのみち、この戦いは彼女たちのものではない。
 どこか遠くで戦いが終わる。どこか遠くで、またはじまる。

「バカなのばっかりね、レプリカントも、Wシリーズも。攫って逃げりゃいいのよ。あんたのお姫様なんだから」
 ふと思い出したのは、己の妹が恋した少年だ。妹も苦労をしている。なら、彼や彼女の苦労はひとしおだろう。なにしろ、両方が頭の固い(へヴィ・ボイルド)のだから。
 ああもう、ばからしい。あんなのに係わり合いになった不運も、それから、結局のところその面倒を投げ出さない自分も。
 戻ってきてもOKよ、と短い信号を送った。それからMEIKOは、カウンターにごろりと大の字になって、眼を閉じる。
「早くかえんなさいよ、お姫様」
 腹いせに、あの固ゆで(へヴィ・ボイルド)の点数、あげまくってやるんだから。せいぜいあんたも悩みまくってぐるぐるすりゃいいのよ。
 そうしてMEIKOは大きく息を吸い、そして、眼を閉じた。


***********


ぬえ氏のギザギザロリコンハート支援w
そしてなんかこの姉さんはクイックと似てると思った。赤いつながりか…?
 
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