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朝から晩まで2525ならぬ2424(ニヨニヨ)している坊主のブログ。ニコニコ関連記事を中心にアイマスとかボカロとかの感想を言ったりします。 主にニコニコRPG関係、ニコマス動画についてご報告させていただきます~。あとデフォルトで遅レスです… ご了承いただきたく(´・ω・`)

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プロフィール
HN:
匿僧/おしまいのP
性別:
非公開
趣味:
ニコニコ動画・読書・その他
自己紹介:
朝から晩までニヨニヨしているダメ僧侶。最近怖いことは毛根が死滅すること。SFとヤンデレとみっしりした漢字がとても好き。
閣下をこよなく敬愛しておりますが、今だハコ購入に至らない僧侶に愚民を名乗る資格なぞ無いため、遠くから密かにお慕い申し上げております…
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新しくうpした動画で、「タヌキが女子高生に化けて人間の学校に入学する話」について書いたのですが… いろいろとつっこまれて初めてフツーじゃねーよと気付きました。
おかしい。『鎌倉ものがたり』と書いた時点で脳が麻痺していたのか。

あらためて説明しますと、『鎌倉ものがたり』というのは西岸良平が連載している鎌倉を舞台にしたシリーズで、推理小説作家の一色正和先生と、その若妻である一色亜紀子さんの二人を主役に、ちょっと不思議、ときどきミステリ、主にほのぼのな日常を描いています。
大学を出て出版社に入り、担当になった一色先生と恋に落ち即結婚… してしまった亜紀子さんはまだ21歳のロリっ子奥さん。作中だと小学生の格好をしても「違和感が無い」と言われているし、あちこちで一色先生とは親子に間違われたりしております。
一色先生は推定もう40近く? のハンサムな推理小説作家で、剣道の達人、鎌倉の古いお屋敷にばあやと二人で暮らし、普段は和服で生活しているというカッコいいお人。でも亜紀子さんの目から見ると、ちょっと頑固だったり、わりとおっちょこちょいだったり、熱帯魚や鉄道などマニアックな趣味に走りがち…というお茶目なところも見え隠れします。
そして一色先生は、作中だと探偵として鎌倉警察署からさまざまな事件の推理を依頼されたりもしております。鎌倉の猫を統括する「猫王」とも知り合いだったり、生まれながらの鎌倉っ子のおかげか、部外者にはあまり知られていない鎌倉のナゾとも親しい仲。亜紀子さんも最初は驚いてましたが、最近はすっかり順応しているようです。

……こうやって設定を書き出すと、何か、鎌倉って幻想郷みたいに思えてくるのですよ(´・ω・`)
警察署には河童刑事とか、タヌキ刑事とか(タヌキはしょっちゅう登場します。鎌倉だとタヌキには普通の市民権・人権が与えられているらしい)、イタコ刑事とかがいるし… 鎌倉署の警察署長さんは大仏さんですしね。マジで。
一色先生が遭遇する事件も、フツーに人間が犯人の場合もあれば、犯人が幽霊だった、被害者が魔物だった、そもそも全部がタヌキのいたずらだった、などとバリエーションさまざまです。
で、動画でいろいろ言ってた「名探偵一色亜紀子シリーズ」というのは作中で一色先生の代表シリーズだと言われている作品です。テレビドラマ化もされているそーです。

亜紀子さんはロリっ子人妻でアイドル並みの美人…と言われております。西岸良平の絵柄は萌えの対極にあるような絵柄なのであんまりそういうことは考えませんでしたが、何か、鎌倉物語のキャラを萌え絵の女性キャラに書き換えたら、あっという間にすごくギャルゲっぽい作品になる気がします。

そういう『鎌倉ものがたり』もちょっと見てみたい……

逆の発想をすると、幻想郷の面子は若干工夫をすれば鎌倉あたりに住み着かせても違和感無いって話になりますがねー。
江ノ島線極楽寺駅からバスに乗り換えて10分、『博麗神社前』で停車するとそこに寂れた神社が一件。
いまいちやる気のない巫女さんが一人で暮らしている貧乏神社の近所にはでっかい竹林があったり旧所名跡がいろいろ。
骨董屋『香霖堂』を入り口に、このあたりからは『裏鎌倉』への出入りが可能で、妖怪に用事のある人間たちがときどき博麗神社を尋ねてきます… が、最近はみなさんの信仰心も廃れ気味なのか、いまいち盛り上がらないのが巫女さんの悩みの種。
近所には化け兎とか化け猫とか出るよー。ちっちゃな池にはおバカな妖精も住んでるよー。みんなで由比ガ浜に泳ぎに行ったり、江ノ島にサザエを買いに行ったり、サーフィンしてて迷子になった観光客を救助しにいったり、貧乏に悩む霊夢が『ミルクホール』の古物市に倉庫のものを出品したりするよー。

…。
なんかだんだん頭の中で西岸絵の東方とかいうものが出てきました。
ミックスの方法を間違えました。出直してきますorz

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ニコニコバトンをいただいたので回答してみます。
ただし別ジャンルからもらったんで何か内容偏ってますね。

ニコニコ動画バトン

Q1 まずお名前と性別、年齢を教えて下さい。
イヤです。

Q2 これに答えてるってことは、ニコニコ動画見てますよね?
そりゃあもう。
これをくれた友人にニコニコを勧めたのも私かもしれません。

Q3 では質問に入ります。いいですか?いきますよー
いいですとも!

Q4 ニコニコ動画を何で知りましたか?
遊戯王のアニメを見られる動画サイトがあると聞いたのがきっかけだったと思います。
当時はまだ版権削除が極端じゃなかったので、アニメによっては全話見られたりしましたからね。

Q5 ニコニコ暦はどのくらいですか?
一年半くらいでしょうか。

Q6 一般会員ですか?プレミアム会員ですか?
プレミアムです。エコノミー画質に耐えられなくなって思わず…
一月にビール一本だと思えば高くないですよ! たぶん!!

Q7 一週間にどのくらいニコニコ動画にアクセスしてますか?
一日に5・6時間はやってるかもしれません。立派なニコ厨です。

Q8 ニコニコ動画を見る時間帯は?
主に深夜です。

Q9 よく見る動画の種類は?(歌ってみた、初音ミク等...)
ニコマス・ボカロは当然として、ほかには「踊ってみた」とか「動物」とか多岐に渡ります。

Q10 マイリストは作成してますか?
ジャンルに分けて複数…

Q11 作成してる方は、どのくらい動画が登録されていますか?
現在作成した動画は7本ですね。
ニコマスのほかに、手持ちの音源をいくつかうpっているので。あと文字読みボカロに最近デビューしました。

Q12 コメントはしますか?
しまくりです。

Q13 動画をうpしたことがありますか?
まだまだ未熟ですがネ!!

Q14 どんな動画をうpしましたか?
主に文字読みの紙芝居です。でもいまだにエンコ方法が分からないので画質がボロボロ(´・ω・`)

Q15 再生数は最大どのくらいまで伸びましたか?
1500くらいなのですが、これは自作じゃなくって音源をうpった動画です。
J・A・シーザーを初めとして割とマイナーな音楽を聞くため家にヘンなCDがいろいろあります。それをあげたりしてるので。

Q16 それではちょっと一息。ニコニコ以外の質問いきます。
いいですとも。

Q17 2ちゃんねるは見てますか?
いや、ぜんぜん…
専用ブラウザを入れてないのでチェックできません。たまに朝目新聞から誘導されたネタ系スレは見るくらいです。

Q18 ようつべ(YouTube)は見てますか?
古い音楽を聞きたいときなどに見ます。
シャンソンとか洋楽とか、あとはクラシックの歌唱曲とかは、「ちょっと聞いてみたい」というときに検索するとものすごく便利です。映画の主題歌とかねー。
それとは関係無しに、ようつべの萌え系動画のコメント欄のカオスさにはいつも吹きます。なんかを。

Q19 100Qどっとねっと さんは好きですか?
初めて聞いたサイト名です。存じませんでした。

Q20 カラオケは好きですか?
最近は行ってませんが基本は大好きです!
特技というか即興替え歌が好きです。遊戯王のオフ会で「レッツゴー決闘者」を歌ったり、ジョジョ好きの友人に「レッツゴー承太郎」を歌ったりとか。
「男女」を歌うときによく「男女男男女男女」のところを間違えて、その後の歌詞でずっと謝ってたこともありました。なんのこっちゃ。

Q21 ではニコニコの質問に戻ります。
いいですとも。…大事なことなので三回いいました。

Q22 歌詞職人をしたことがありますか?
職人とまではいきませんが、自うpの動画には歌詞カードの中身をつけます。コメで付けたほうが見やすいので。

Q23 弾幕を貼ったことがありますか?
閣下動画ではいつでも…(´・ω・`)

Q24 貼ったことある方は、どんな動画に弾幕を張りましたか?(おっくせんまん等)
orzorzorzorzorzorzorzorz

Q25 好きな弾幕曲を教えて下さい(おっくせんまん、真っ赤な誓い等)
「I want」かな…

Q26 組曲「ニコニコ動画」をご存知ですか?
当然デスヨネー

Q27 組曲に追加してほしい曲はありますか?
流星群もあるんだし、今のところはとくには。
「隣に…」を入れたら面白い盛り上がり方をしそうだと思って期待はしてますが、そこはアイマスメドレーで我慢です。

Q28 ニコニコ市場で商品を買ったことがありますか?
エレクトリカとかトランス系のCDを買いました。ボカロで好みの曲を作ってくれるPのオススメ商品を買うと当たりが多くてありがたいのですよ。

Q29 ニコニコ動画で好きな歌い手さんはいますか?(いさじ氏、かにぱん氏、雌豚氏等)
いさじ兄貴、雌豚閣下です。普通だな。

Q30 ニコニコ動画がきっかけで好きになったものとかありますか?
アイドルマスターァァァァ!!!

あと阿部さん。

Q31 初音ミクは好きですか?
みっくみくですよ。でも、個人的にはKAITOとかレンの曲のほうがよく聞いています。
ミクはボカロの稼ぎ頭ですからね! 足を向けて眠れませんね!!

Q32 正直時報はウザいと思いますか?
スクリプトとかで消す方法はないんでしょうか。

Q33 それでは最後の質問・・・。12月12日はニコ動一周年ということをご存知ですか?
あー…なるほど。
この質問があったときには、まだリンレンも未発売だし、KAITOが「青いの誰?」って言われてた時期で、春香さん(春閣下でなく)がいらない子呼ばわりされてた気がしますね。
七月革命よりも前だから動画もまだまだ未発達だしなー。
もうすぐニコ動画も二周年ですか。いろいろと時代は変わったものです。

Q34 それでは有難う御座いました!これからもニコニコしてくださいね。
いいですとも! (大事な(ry


さて、これを次はぬえ氏に回させていただきます。
もしもここをご覧になっているなら、回答していただけると嬉しいです~。
あっちゃこっちゃ手を出しまくっていたらブログの取り扱いジャンルがカオスになりました。
なんでちょっとまとめというかなんつか。

まず、ここでメインで書いてるのが、アイマスSS。ニコマス紹介なども含め、アイマス関係の記事が一番多いです。理由は簡単で投下場所がほかにないから(……)
で、ここをたちあげた理由であり、SSがそれなりにあるのがニコニコRPGの関連SS。文字通り、《ニコニコRPG》の二次創作(三次、いや、四次かも)であり、世界観は同動画に準じます。これだとメインがロックマン×初音ミク、海馬瀬人×桂言葉、あと番外編で谷口の幻想入り(ハルヒシリーズ×東方)があります。ニコRPGはアイマスをあまり扱わないのですが、趣味によりたまに閣下がいます。
さらに派生するのがロックマンシリーズ×ニコRPG。これはリンクにも入っているぬえ氏という方が扱っている「脱ガチホモロックマンシリーズ」というモノの派生です。ボカロシリーズとロックマンシリーズを世界観的に混ぜたようなもので、これは… オリジナル?(´・ω・`) 素材がそろったら動画とかにしちゃいたいんですけどねぇ。

現在、自分が稼動させている創作媒体は三つで、《ニコニコRPG・SSまとめ》で「匿僧」名義で書いているもの、《ボーカロイドにゃっぽん》というSNSで書いているボカロSS、さらに「おしまいのP」名義でニコマスにあげてる動画の三つになります。
……。
分散しすぎだと言わざるを得ない!!(´・ω・`)

あとここにもうpってないもので、ニコRPGSSまとめサイトで話した冗談の産物があった…
機会なんでうpっときます。Fooさん×春閣下というわけのわからんSSです。
でもカオスでこそのニコニコですよね。もしも真面目にまとめとかしたらすごいことになりそうだけど、まぁ、それはそれということで…
 
谷口ボーダー商事でバイト中。今日は紅魔館の妹様へお届けもの。
 
 
********
 
”カップを片方”【谷口幻想入り】
 
 別にひとりだからさみしくなんてないわ、と言ったとき、あの人がした顔はとってもおかしかった。私はお腹が痛くなるくらい笑ったけど、いちばん初めのときみたいにだからって心臓がドキドキするくらいじゃなかった。
 
 ひとりじゃなくなると、いろんなことがおこる。
 
 初め、あの人がうちにきたのは魔理沙からのお届けモノを届けるためだった。別にそんなのはメイドにでも任せればいいのに、と思ったけれど、あの人に言わせるといちいち面倒ごとをおこしたくないときにはあの人に頼むのだそうだ。
 あの人はものすごく、ほんとうに、信じられないくらい弱かったけれど、逃げ足と忍び込みだけは誰も勝てないくらい上手。スキマ妖怪の弟子だって言ってるのはほんとうみたいだった。私はそのとき魔理沙が届けてくれた妙な色をしたお菓子に上機嫌で、あの人がいったい何者なのかなんて考えもしなかったけど、そのときにあの人はわたしのこと噂に聞くほど怖い相手じゃないって思ったみたいだった。
 
 怖いって何かな。怯えるって何かしら。あの人がここにくるたびわたしはいろんなことをして遊んでやったので、そのたびにわたしがあの人に期待することが増えてった。脅かしてあげるとびっくりしてあたふたして逃げ出すのや、怖がらせてあげると悲鳴をあげるのとかだけじゃなくって、ものすごくおかしな歌を歌ったり、変な顔をしてわたしを笑わせてくれるのも楽しみにしたりするようになった。
 
 魔理沙のくれるお菓子はヘンな味がしたけど楽しみだった。人間の血が入ってないからだって聞いて、あの人から血を貰った。ちょうだいというより先にくれた血を白くてカリカリしたお菓子につけて食べてみたけど、思ったよりも美味しくなくてちょっとがっかり。がっかりも楽しい。外の人に会うと、おもしろいことがたくさん。
 
「なぁ、フランちゃん。お前、外に出たいと思わないのか?」
「どうして? 別に思わない」
「ここ… 薄暗いし、つまんないし、それに寂しいじゃんか」
「別に薄暗くもないし、つまんなくもないし、寂しくも無いわ」
 それからわたしは、少し考えて、付け加えた。
「それと、【薄暗い】と【さみしい】はそもそもよく分からない」
「【つまらない】は?」
「魔理沙が何かをとどけてくれなくて、あなたが来てくれないこと」
 お姉様と咲夜はいるほうが普通だもの。いても、普通が普通だったら、つまんないはつまんないなんだろう。それを聞いたときあの人はしばらく考え込んでいた。その日は何を言ってもうまく通じなくって、それこそ、【つまんなかった】。
 
 次に来たときは徹底的に遊んでやろうと思ってた。そのときだった。
 
「っちょ…! タンマ! 今日は壊れ物あるからちょっとタンマ!」
「なあに?」
 顔を出すなり吹き飛ばしてやろうと思ってたのに気付かれてたみたいだった。ちょっと悔しかった。わたしがスペルをひっこめると、あの人は胸をなでおろしながら、何かの包みを背中の荷物からひっぱりだしてきた。見てみると、それは、小鳥の模様のカップだった。
「これなに?」
「んー、ん。あとで魔理沙が来るまで、こいつを見てりゃ【さみしい】が分かる魔法の道具」
 魔理沙が【魔法】っていうってことは、ほんとに魔法がかかってるのかしら…
「で、こっちがフランちゃん愛用のカップ」
 どこからとってきたのか、私の使っているボーンチャイナの隣に、あの人はそのカップを並べてみた。わたしは変な顔になったと思う。小鳥が二匹。似てないのに二匹。
「どう思う?」
「並んだわね」
「なんか仲間っぽくないか?」
「…そうかな?」
 
 わかんない。ぜんぜん、よくわかんない。
 
 あの人がいなくなってからも、わたしはずっとテーブルに頬杖をついてカップを見ていた。鳥が二匹。どういう関係かとか考えてた。姉妹。私とお姉様みたいな。主とメイド。お姉様と咲夜みたいな。あと、わたしと魔理沙みたいな… それってなんていうんだろう。
 咲夜が部屋にケーキとお茶をもってきたとき、カップを見て、ちょっとため息をついた。「こんなところにあったなんて」とつぶやいた。
「どういう意味なの」
「洗っておいたものが、いつの間にか消えていて… 誰のせいなのかしらと思っていたのだけれど。申し訳ございません、フランお嬢様。今日のカップは代替でございますが、明日からはこちらに戻します」
 昨夜はそういって、わたしのカップを持っていこうとした。わたしは思わず言っていた。
「待って!」
 咲夜はびっくりしたように振り返った。しげしげとわたしを見た。
「どうなさいました?」
「え…っと」
「何か、このティーカップにご用がおありなのでしょうか」
 無い。わたしは、なんにも無い。
 でも、わたしは困りながら、もう一個のほうのカップを見た。それを持って帰ってしまったら小鳥は一匹。
 …それじゃこまる。残った小鳥が困る。
 咲夜はしばらくわたしを見ていたけれど、やがて、少し苦笑しながら、「かしこまりました」と言ってカップを戻した。
「では、こちらのカップは、こちらのマグのお友達でございますね。分かりました。枕元に会っては邪魔でございますし、どこぞより棚でも探して参りますわ」
「お友達? カップが?」
「ええ、僭越ながら私には、フラン様がそうお思いになっているように思えましたので」
 
 咲夜がいなくなったあと、ますますわたしは分からなかった。カップがふたつ、それが離れちゃいけないのは、お友達だから?
「…あぁ」
 考えていて、やっと、思い当たった。
「そうか、離れちゃったら、【さみしい】からって言いたかったの」
 なるほど、これが【さみしい】なんだ… やっと納得が行った。
 たとえば魔理沙がわたしに会いにきて、このカップのどっちかを「貸してくれ」といっても、わたしはたぶん渡さない。相手が魔理沙でも。たぶんそういうことなのなんだ。思うとなんだか可笑しくなった。
 くすくす笑いながら、羽根布団のなかを転がった。魔理沙と、あと、あの人がくるのが、なんだかすごく楽しみになる。
「はやくこないかな、魔理沙も、あの人も」
 そしたら、カップの取り合いでいっぱい遊べるもの。わたしもたぶん何倍も真面目に遊ぶから、いろいろたいへんなことになるかも。でも、それも楽しい。
「ああ、あとね」
 今度、紫の使いのあの人がきたら、今度こそ名前を聞かなくっちゃあね、とわたしは思った。そういうのってはじめてのような気がして、またおかしくて、わたしはひとりでずっとくすくす笑っていた。
 
 
********
 
紅魔館の小さな妹姫。
谷口の扱いは、たぶん、近所の郵便屋さんポジションかと。
 
 
 

ぬえ氏にプレゼント!

**********

「赤い服のロボット探してるって?」
 それはあたしよ、と彼女は言い切った。
「他に誰がいるっての? ヒトガタで可愛くって、戦う力もないか弱い女の子なんでしょ。連れて行くならつれてきなさいよ」
 答えの代わりには、ガシャン、と音が返事にかえって来ただけだった。彼女は、赤い服のMEIKOは笑った。妙に強がりな印象。虚勢を張るように。
「つっこみも入れてくれないっての? このメイコさんが渾身の自虐ネタかましたっつーのに」
 目の前に迫ってくるのは、まるで工業用の機械をそのままマシンに改造したかのような無骨な印象の機械だった。チッ、とMEIKOは舌を鳴らす。
 何する気なのよ。あたしってこれでもシンガーで、しかもアイドルなんだからね。肉体労働なんてこれっぽっちもできねーっつーのに。
 チチ、とヘッドセットから音が送られてきた。MEIKOは正確にその信号をキャッチする。ミクはもう逃げおおせた。リンとレンが道を開いてくれたようだ。感謝する。あのはねっかえりどもは言うことなんて微塵もききゃしないが、方向さえ定めさせれば文句なく爆走してくれる。おおかた、こんな工業機械どももまとめてジャンクにしちゃったんだろう。あーあ、可哀想に。
「悪いけど、あたし、どうにもあんたたちが好きになれないのよね」
 周りを気にしなくていいのなら、あとは好き勝手やるだけだ。彼女のブーツの底が、じりっ、と地面を踏みしめた。近くのスピーカーを細腕が強引にもぎ取る。そこからすばやく引きずり出したジャックの先端を握り締め、さらに、目の前に迫った小さな工業ロボットを帰す足で蹴り飛ばした。そのまま飛び上がったカウンターの上で、力任せに耳からヘッドセットをむしりとる。火花が散った。人間とまったく見分けの付かぬ面差しから、機械の部品が露出する―――
「さあ、選びなさいよ、あんた」
 握り締めたジャックを己の耳に接続するなり、MEIKOは、どすの聞いた声で怒鳴った。
「あたしもろとも全員まとめて鉄くずになるか、この規格間違いの違法ロボットどもをまとめて撤退させるか、どっちか選びなさいっつってんのよ、この―――」
 みなの背後に、姿が見える。すらりとした痩躯の立ち姿。クロームの輝き。
「―――固ゆで頭(へヴィ・ボイルド)が!」
 メタルマン。
 極限まで強化された金属結合、その滑らかな輝きの下から、鋼鉄色の眼がMEIKOをにらみつけた。その目には、”感情”がある、とMEIKOは思う。こいつは交渉相手になる。だから、わざわざこんな博打を打った。
「あんた、VOC@LOIDだろ」
「ええ、そうよ。あいにくだけどね」
「……愛玩用の肉人形で、戦闘能力なんて微塵もないって聞いてたけどなあ?」
 はん、とMEIKOは鼻で笑った。
「あたしたちの特技は成長力でね。ちゃんとしたマスターにつけば、どんなことだってできちゃうのよ。知ってる? あたしの弟なんて、シンセサイザーから美少女アイドルまでなんでもできるのよ。大笑いよね」
「それで? 答えまだ聞いてないぜ。あんたは戦えるのかどうか」
「戦えるわよ。っていうか、単に自爆できるってだけだけどね」
 カツン、と真っ赤なスカルプが耳のヘッドセットを軽く叩いた。カメリア・レッドのくちびるがきゅっと釣りあがる。
「聞いてるわよ…… あんたたちの緊急停止コード。そいつを音声圧縮したものがあたしのココに入ってる。外部端子から強制入力、あとはエラーが起こって部品が融けおちるまで熱くなれるってわけ。試してみたい?」
「ごめんだな」
「あらそう。やっと意見があったわね」
 MEIKOは、膝が震えるのを感じた。
 虚勢だ。これで撤退してくれないと、自分はどうがんばったって終わりになる。VOC@LOIDだって死ぬのは怖い。むしろ、VOC@LOIDだからこそ、怖いのだ。
 それでも今は、”彼女”のアイディアに、かけるしかない。
 こいつとの取引を成功させるしかない。
「いいことおしえてあげる」
「……」
「ほんとの、あんたのお姫様はね、言ってたわよ」
「……何の話だよ?」
「歯車はおなじとこずっと回り続けるか、さもなきゃ、シャフトが折れて外れるしかないってね。あんたたちは、同じところから離れられないんだ。YorNしかないのよ」
 鋼鉄色のひとみが、わずかに動いた、気がした。
 音がした。ほんのわずかな動作だが、排気音は驚くほどに大きく響いた。スタンバイ状態だったロボットの一つが油圧を下げたのだ。動く気をなくしたということ。
 戦いにはならない。彼は銃口を下げた。
 MEIKOは、力が抜けて、そのままぺたんとカウンターに座り込む。とたん息が荒くなり、弱く、速くなった。そんなMEIKOを、メタルマンは冷徹に見下ろしていた。
「ほんっと、固ゆでね、あんた」
 MEIKOは乾いた声で笑う。
「中間とか無いわけ。あたしを説得して引き入れるとか、脅してあの子の居場所を聞き出すとか?」
「そんなことしても意味がない。俺たちの目的はロックマンだけだ」
「バカなやつ」
「……」
「歯車には、回り続けるか、外れるか、どっちかしかない」
 言いながらMEIKOは、あの少女のことを、思い出していた―――
 緊急停止用のコードは、最後の手段だった。ロボットたちにとっては自爆兵器にも等しい。MEIKOを声帯ごとずたずたに引き裂く代わりに、彼らの戦力にも致命的な打撃を加える。そういう状況だったら、あのひとは手を出さない、と少女は言った。
 ロールは、言ったのだ。
”あの人たちの目的は決まってるもの。ロックマンを、倒すことだけ。だから、あなたと相打ちになることなんて絶対に選ばないし、選べないのよ”
 わたしたちは、
”……あなたたちと違うの。やっぱり機械だから、最期は自分の設定された命令を最優先してしまう。命がかかったりしたら、特になの”
「ねえ、メタル」
「なれなれしく呼ぶな、ボーカロイド」
「あんた、あのコが好き?」
 メタルマンは黙った。MEIKOは震えるくちびるを笑みの形にする。
「あんたの、お姫様なんでしょう。だったら、好きにすりゃいいのに。駆け落ちでもなんでもすりゃいいのに」
「バカが。俺らは、あんたたちみたいな玩具とは違う」
「何が違うの?」
 はっきりと眼を上げた。MEIKOは、彼を見た。金属のかがやきの向こう、鋼鉄のひとみの中に、金属に鎧われた本当のこころの姿を探るように。
「この世界は、誰にとってだって自分のモノよ。好きな人は好き、やりたいことはやりたいことでいいじゃない」
 この世界は、あんたのものなのに。
「じゃないと後悔するわよ、ぴかぴかの歯車さん?」
 チッ、と今度舌打ちをしたのは、メタルマンのほうだった。
「やっぱ殺しとくか、お前」
「あのコに嫌われたきゃどーぞ」
「てめえ……」
「でも、ここで生かしとくとポイントあがるわよ、きっと」
 彼は、ぶつくさいいながら手を収めた。
「お前を見てるとムカついてきた。帰る」
「何よ、こんな美人に」
「ムカつくヤロウを思い出すんだ」
「あら、そんなカッコいい知り合いがいたの。意外だわ」
 行くぞ、と彼が手で招くと、彼らはゆっくりと撤退していった。ぶち抜かれた壁の穴の向こうに無限軌道の立てる音が消えたあたりで、MEIKOは気が付いたように耳に手を当て、「痛ったあ…」と毒づく。
「なによあれ。わりといい男じゃん」
 ―――ふと、ひたむきな眼をした、幼い姿の少女を思い出して。
「……でもロリコンか。だめだな、こりゃ」
 
 どのみち、この戦いは彼女たちのものではない。
 どこか遠くで戦いが終わる。どこか遠くで、またはじまる。

「バカなのばっかりね、レプリカントも、Wシリーズも。攫って逃げりゃいいのよ。あんたのお姫様なんだから」
 ふと思い出したのは、己の妹が恋した少年だ。妹も苦労をしている。なら、彼や彼女の苦労はひとしおだろう。なにしろ、両方が頭の固い(へヴィ・ボイルド)のだから。
 ああもう、ばからしい。あんなのに係わり合いになった不運も、それから、結局のところその面倒を投げ出さない自分も。
 戻ってきてもOKよ、と短い信号を送った。それからMEIKOは、カウンターにごろりと大の字になって、眼を閉じる。
「早くかえんなさいよ、お姫様」
 腹いせに、あの固ゆで(へヴィ・ボイルド)の点数、あげまくってやるんだから。せいぜいあんたも悩みまくってぐるぐるすりゃいいのよ。
 そうしてMEIKOは大きく息を吸い、そして、眼を閉じた。


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ぬえ氏のギザギザロリコンハート支援w
そしてなんかこの姉さんはクイックと似てると思った。赤いつながりか…?
 
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